ご挨拶Greetings

あらゆる科学の進歩は、「論文を通した情報公開」により支えられてきました。医学の分野でもそれは変わりませんが、他の分野と大きく異なるのは、医学論文の一つひとつが、医療従事者・研究者だけでなく、多くの患者様のご協力があってはじめて生み出される点であると考えます。これまでに公表されてきた膨大な数の医学論文は、こうした多くの努力や協力の蓄積であり、それらが未解決の治療に光をもたらしてきたという点で、貴重な資産であると感じます。

一方で、日々発行され続ける医学論文の「科学的客観性」や「高い倫理性」を維持するために、厳格な審査や透明性に関する様々な手続きが課せられています。これらを個々の研究者や医療従事者が対処するには負担が大きく、迅速な論文発行の障害になっていることも否めません。そのため、医学論文の国際的な出版倫理ガイドライン¹⁾ では、最新の出版倫理に精通したProfessional Medical Writerの協力を仰ぐことが推奨されてきました。 そこで私たちは、日本において科学的客観性や倫理性を維持し、「より適切かつ迅速」な論文発表を支援することを目的に、インフロント・メディカル パブリケーションズ（IMP）を設立いたしました。

私たちはこの目的を実現するため、最新の出版倫理や出版規定を把握するとともに、個々の研究内容を理解し、価値ある医学論文の創出にむけて日々研鑽を続けてまいりました。また、蓄積された膨大な論文は、それ自体が良質なビッグデータであることから、その分析を通して、より公正な評価や新たな研究に応用するための視座が得られると考えています。

IMP社員一同は、医学研究の論文化や学会発表の支援、さらには論文の分析などを通して、日本の医療・医学の発展に少しでも貢献したいと心から願っております。今後ともIMPの活動にご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

IMPビジネスディレクター　榛葉 肇

1）GPP3: Good Publication Practice for Communicating Company-Sponsored Medical Research: Ann Intern Med. 2015; 163: 461-464